アスベストの確認に分析が必要な理由

かつては良質な天然素材で、建材の多くに使用されてきたのがアスベストです。しかし、細かくなったものを吸引することで悪性中皮腫や肺がんなどになる恐れが非常に高いことから、一番最初に禁止されたのが昭和50年でした。その後も建材で複数の部分に使用されていましたが、2006年にはアスベストを利用したすべての建材の使用を禁止されており、2020年代で利用して作られている新築の物件は全くありません。ただし、2006年以前には使用されている危険性があると懸念されており、解体や改修工事を行う時には細心の注意を払わなければならないと警告されています。

2022年4月からアスベスト法が改正されており、床面積80平方メートル以上のすべての建築物で解体、改修工事を行う場合には、事前調査の一つにアスベストが含まれているかどうかを必ず確認しなければならなくなりました。そのため専門業者に連絡をして建築したときの建材などに使用されていたかどうかを確認してもらうことで、解体や改修工事のときに必要な書類や内容が異なるといいます。確認するときも設計図などで確認するだけではなく、直接現場へ出かけてプロの目で確認する目視や、建材の一部を採取・検査を行い、内容を分析して含有されていないかどうかを確認することが必要です。安心して作業員が工事を行えるようになるだけではなく、粉塵により周辺住民への健康被害が出ないようにすることが必要となります。

分析は大げさではと考える人もいますが、わずかでも含有されていて健康被害が発生することを防ぐため、分析は必要です。